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ズボガニとは

「福井の地元の人は越前がになんか食べないよ、セイコガニかズボガニしか食べないよ」地元の人はそんなことをよく言う。やはり越前がには高級なのだろう。越前がには、地元だからといってそうそう食べられるものではないらしい。裏を返せばそれほど越前がには高級だということだ。だから代用といっては語弊があるかもしれないが、越前がにのかわりにズボガニがよく食べられるようだ。ズボガニの名前の由来はとても安直でわかりやすい。越前ガニは脱皮を10回以上繰り返す。その脱皮したばかりの状態をズボガニという。その状態の蟹の足の身を取るとき、身を引き抜くと「ズボッ」という感じできれいに引き抜くことができる。だから「ズボガニ」と言われるらしい。別名を「水がに」ともいう。この名前も非常にわかりやすい。この状態の蟹は非常に水っぽい。だから「水がに」とよぶ。

福井の人たちはとても素直でまっすぐだ。だからこんなまっすぐな直球的呼び方をするのだろう。

タラバガニを食べたときのこと・・越前ガニとは別物か・・・

今から10年以上前、まだ越前ガニのおいしさを知る前のこと、北海道の羅臼岳を登りに行った。確か岩尾別温泉に一泊して、翌日早朝に羅臼岳の登った。途中に「熊、注意」の看板が何度もみることになる。岐阜あたりの山では、熊はせいぜいツキノワグマだ。でも北海道となるとやはりヒグマだ。これはいけない。吉村昭の「熊嵐」を読んでいた私は、ヒグマの恐ろしさを肌で感じてしまっていた。だからその看板を見たら急に怖じ気づいてしまった。でもそれでも前に、上に進むしかない。鈴のねを慣らしながら前進する。たしか「○月○日ごろに熊が出ました」こな看板もあったような記憶がある。ぞっとする体験だ。それでも無事に山頂に到着。知床半島と北方領土が見渡せる。北方領土が日本の固有の領土であることが間近に実感できる貴重な体験だった。この目の前の島が他国なわけがない。まちがいなく日本だと。

そして下山をする。下山後、根室あたりでタラバガニにありつく。山盛り一杯食べたような気がする。身がぎっしりつまり、食べ応えは充分。ジューシーでホッかホッか。うまかったかといわれると、むむむ、まずくはないが、「うまい」という表現とはちがう。とくに今、越前ガニに魅了されている今、「うまい」とは言いづらい。あえて表現するならば、大雑把なうまさとでもいおうか。

そんなタラバガニのことを思い出していた。