越前がによりもうまいヤシガニの思い出

いまからウン十年も昔のこと・・・。

大学生の夏休み、西表島に一ヶ月ほど行ってきた。友人と二人で、テントを持参して。でもテントで寝たのはわずか一晩だけ。あの暑さに耐えらるわけがない。仕方なしに予定を大幅に変更、予算も大幅に増額。民宿に泊まることした。それから快適な民宿生活が始まる。冒険の毎日。イリオモテヤマネコに会いに森に入ったり(結果・・・会えず)、夜に船釣りをしたり、ヤシガニをとったり、立ち入り禁止の鍾乳洞にはいったり、秘密の星砂の海岸で遊んだり、そして民宿でぼけーっとしたり・・・。

ヤシガニを取りにいった時のことは今でもよく覚えている。民宿の親父さんに連れられて海辺の岩場に行った。あああぁぁぁぁ・・・ハブが・・・。危機一髪が何度も。でも地元の人はすごい。臆することなく、そのハブを捕まえてしまうのだから、本当にすごい。

ヤシガニはエビのような形をしている蟹。姿は少々グロい。はさみもでかいので捕まえるときはスリル満点。いるわいるわ・・・、一回漁?に出たらかなりの数を捕獲できた。そして民宿に戻ったらおばさんがゆでてくれた。生きているときは色もグロい。どう考えてもうまそうではない。でもゆでていたらそれがピンク色になる。いきなりうまそうって感じになる。そしてみんなで食べる。それがうまいのなんの。当時は今ほど食糧事情がよくなく、なんでも美味しいと感じていた時代。そんななかでもこのヤシガニはとびきりうまいと感じた。今でもその味は再現できる。言葉で再現はできないが、感覚として再現できる。表現は全くできないが・・・。とにかくとにかくうまい。今、うまい日本一うまいと思っている「越前がに」よりもうまいかも。いや、次元が違うのかも。別次元の食べ物かな。そのときの味のイメージが私にとっては南国の味となり、そして南国へのあこがれへと繋がっているように思う。

沖縄、バンザイ!!!