そんな鮎のフルコースと同じように越前がにのフルコースがある。2012年の冬に食べた。宮本鮮魚店というお店で食べた。まさしくかに三昧だ。蟹のお刺身、焼ガニ、天ぷら、酢の物、そしてそしてメインの丸々越前ガニ一杯のゆでガニ。越前ガニの黄色いタグが燦然と輝く丸々一杯。スゲー。感動。一人でこんなに食べられるのか?どの料理も美味しいが、やはり蟹の王道はゆでガニのようだ。一人でこんなに食べられるかと思いきや、それがぺろっといっちゃった。あああぁぁぁ、この味噌。味噌に蟹の身をほぐして甲羅の中で混ぜる。そしてそれをご飯に乗せて食べてみた。「越前ガニの蟹味噌と蟹の身のコンビネーションどんぶり」とでも命名したいぐらいだ。そもそも料理の原点は素材にあるはず。その素材を無視して料理方法だけが話題にのぼるのはどうかと思う。その素材の良さを舌で感じるのことができるのが本当の良い料理ではないだろうか。例えば、野菜。新鮮な野菜を一番おいしく食べることができるのは、畑でとりたてを食べることだろう。実際にはそれはなかなか叶わない。それでできるだけ新鮮な有機栽培の野菜が生で食べる。ドレッシングはお塩がほんの少々。その程度の味付けが良い。
それと同じで蟹の一番美味しい食べ方は、蟹のエキスが口の中で一杯に感じられることだ。それが茹でがに。「越前ガニの蟹味噌と蟹の身のコンビネーションどんぶり」はまさしく越前がにのエキスを100%堪能できる食べ方・・・だと自分では思っている。今年もその越前ガニを堪能したい。解禁を今か今かと待っている。