蟹クリームコロッケ

私の好物の一つにかにクリームコロッケがある。あのサクッとした衣と、それと対照的にとろ~っとしたかにクリームのギャップ。そしてそのかにクリームの甘さとかにのうまみがたまらなく好きなのだ。
しかしこのかにクリームコロッケ、「今夜の夕飯はかにクリームコロッケにしよう!」と急に思い立って作れるようなものではない。上手く作ろうとすると実質何時間もの時間が必要となってしまう料理なのである。
「こんなとろとろのクリームを、どうやって衣に包んでいるのだろう」と疑問に思ったことはないだろうか。私自身、幼い頃から疑問に思いながら食べていたのだが、大人になっていざ「かにクリームコロッケを作ろう!」と思った時にこの壁に直面したのである。
味からしてホワイトソースにかにを混ぜたものを衣で包んで揚げているという単純なものだと想像はついたので中身のかに入りホワイトソースは簡単に作れた。しかし、それを衣に包もうとしたときにどうしてもべちゃべちゃになってしまって包めないのである。ホワイトソースを硬めに作ってみたりもしたが上手くいかない。
仕方がないので上手く作る方法をネットで検索してみると、こんな方法が見つかった。
①出来上がったホワイトソースを冷蔵庫で冷やす。

②硬くなったホワイトソースを丸めて成形する。この時手に油をつけるとやりやすい。

③成形したホワイトソースを冷凍庫で冷やし固める。

④衣をつけて揚げる。
というように、出来上がったホワイトソースを冷やし固めるために長い時間が必要になるのだ。硬めにホワイトソースを作れば大丈夫だろうと甘く見てきちんと調べなかったことを後悔した。調べて分かった頃にはもう夕飯の時間が迫っていたからだ。仕方がないのでその日は無理やり衣に包んで揚げたが、もちろん形も味も悪い残念なものになってしまった。
後日「リベンジだ!」ときちんとした手段で作ったところ、冷え冷えなので手が冷たくなるという点はあるものの、前回の苦労が嘘のように綺麗に簡単に作ることができた。味も「買ったものよりおいしい」と好評を得て、その後何度か作るうちに、かにクリームコロッケは私の得意料理の一つに加わった。
ちなみに、普段はかに缶のかにで作っているのだが、やはり「缶ではなくちゃんとしたかにの身を使って作ればもっとおいしいはず」と思ってしまう。次の記念日には缶ではないかにを使ってちょっと贅沢なかにクリームコロッケを作ってみよう。きっと更においしくできることだろう。