夢中になって食べるカニ!

11月6日、今年も越前がにが解禁になりましたね~。
今年こそお土産でいただく“カニ”さんではなく、もちろんお土産のカニもとても美味しいのですが…お取り寄せで“黄色いタグのカニ=越前がに”を食べたいなと思います!

越前ガニ、越前カニ、越前かに、など呼び名はありますが福井県ではブランドを統一した呼び名 “越前がに”としているそうです!

ニュースで“越前がに解禁、初セリ”の様子を見るとやっぱり今年も一回はカニ食べたいなあと思ってしまいますね。
私と子どもは大のカニ好きです。主人は蟹ミソだけが好きというわがままを言っていますが、カニの身を剥くのが上手でいつも子供と私が食べやすいように剥いてくれるので“蟹ミソ”は一人で好きなだけ味わって下さいと進呈しています。笑
カニを食べている時にいつも面白く思うことは、やはり無心に食べている時のあの妙な静けさでしょう。宴会の席でもあのように大勢で食事しているにも関わらず、あの静けさはちょっと笑ってしまいます。私ももちろんカニ好きなので無心に静かに食べている方ではありますが…
家で食べている時もやはり静かですね~。こんなに夢中になって食べる食べ物はそうそうないと思います。それもカニの魅力なのでしょうね。
今年は“カニのしゃぶしゃぶ”なるものをぜひともやってみたいものです。それを味わおうと思うと「ゆでガニ」ではなく「活きガニ」を購入するということになるのでしょうか。
ボーナスが出たらご褒美に“活き越前がに”注文してみようかな!まだカニの季節が始まったばかり…早く美味しい”かに”食べたいです。

越前水仙

庭の水仙がやっと満開になりました。小さい白い花がたくさん咲き真中が黄色いのがニホンスイセンだと思うのですが…庭の整備をしている時に近所のおばあちゃんから頂いた球根を植えたので名前がわからないままになっていて。その時に名前を聞けばよかったのですが、ただスイセンとだけで、こんなにたくさん種類があるとは知らずにもう12、3年経つでしょうか。とても心地よい良い香りがするので、毎年切り花にしてお手洗いの出窓においてある小さい花瓶に活けています。冬の間は切り花にできる花がなかなか庭には見当たらないので、少しさみしさを感じていました。
順番に咲き出したので名前を調べてみると、一番最初に咲いたのはヤエザキスイセン(白)、ローレンコースター、ラッパ水仙たぶん(イースタンダウン)、タヒチ、アクロポリス、ラブコールと頂いたもの、購入したものあわせてなんと6種類も咲いていました。その少し前に咲き出すクリスマスローズとスイセンを見るとホントに春がきたのだなと思います。
同時にカニのシーズンの終わりでもありますが…
越前の水仙の群生もきれいですよね。やはりあれだけの群生をみると圧巻の一言ですね。
越前水仙とは越前海岸に咲くニホンスイセンの総称だそうで、日本三大群生地なんだそうです。やっぱり“三大群生地”なだけはあるのですね。
凛と咲き誇る姿が芯の強い福井の方の県民性に通じるとして福井県の県花でもあるそうです。とても素敵ですね。

タカアシガニの脱皮

カニといえば先日、テレビで”タカアシガニの脱皮”をとらえた映像を紹介していました。「よーく見てて下さい」という話のあと、じぃっーと見ていたら、
っ、そう来るのという”抜き出方”でカニが殻から出て…映像の中にはカニさんが二匹いるかのような見事な状態でした。時間はかなりかかっているのでしょうけれど、もちろんテレビなので、かなりの倍速で流してしていたと思うのですが、久しぶりに衝撃を受けた映像でした。
脱皮に失敗して死んでしまうことも結構多いという話が解説されていて、それはこの脱ぎ方をするのだからそういうリスクはすごくあるよねと妙に感心し、またすごく大変な覚悟で脱皮するのだなとも思いそういう意味でもショックをうけました。
あの長い足も一緒に抜き出るのですからほんとにビックリです。想像していたこととは全く違っていました。良い意味で心地よく裏切られた感覚です。甲羅の部分だけがパカッと取れたりするのかななんて思っていた少々勉強不足の私はなんと甘っちょろいことかと反省しました。

世の中には知らないことがたくさんあり、面白いことがまだまだ山のようにあるのだなと非常に興奮した出来事でした。カニさんたちはこのように脱皮をして大きくなるそうですが自然の厳しさ、力強さが生きるということにこんなにも直結しているのだなと当たり前のことなのですが改めて思いました。私たちが日々口にするものは命を頂いているものなのだということをもっと感謝するべきだと子供たちにも教えたいですね。

献上ガニ

「冬の味覚の王者『越前がに』は、福井県が誇る特産品であり、全国唯一の皇室献上ガニでもあります。」
私は県の特産品などを皇室に献上する、そういった行為そのものを知るものではありませんでした。私たちが、盆・正月に、お世話になった方、上司や実家へお中元・お歳暮を持っていくような、そんな次元の低い行為とは断然違います。越前がにには皇室へ献上できるほどの品格があります。
歴史をひも解けば、日本におけるカニ漁は1500年代、安土桃山時代に始まったといわれています。三国港で水揚げされた『越前がに』は、地元三国町の4軒の魚問屋から、毎年1件が担当しています。献上日(11020日)に水揚げされたものの中から極上品を選び、天皇・皇后両陛下をはじめとする7つの宮家に献上されます。

安土桃山時代から食べられていたであろうズワイガニ。しかも福井(越前)では他地域に送ったり、特産品として紹介するなど、その美味しさは広く知れ渡っていきました。そして明治421909)年、越前のカニを皇室に献上することで、名実共に全国ブランドとなったのです。献上がにの記載は、明治431910)年元旦、地元新聞にあります。当時の福井県知事が、四ケ浦村(現、越前町四ケ浦)で獲れたカニを東宮御所に献上したと書かれてあり、献上は今日まで続いています。現在は三国港で水揚げされた『越前がに』が毎年、皇室に届けられています。

福井県の人にとっては、この越前ガニ、特産品でもあるが故に宝物のような存在であろうと思われる。たかがカニとはいうものの、皇室に献上されるほどの越前ガニである。見た目も味も間違いはない。今まで、私の中でカニに対する認識はどんな種類であろうが、全部一まとめにして「カニ」だった。ここで一つ知識を得た。カニといえば、越前ガニのズワイガニ以外にない。美味しい「越前ガニ」にこれからも出会っていくよ。

今回は献上される越前ガニにこだわってみました。越前ガニは高価なカニです。

みんな揃ってカニ!

単身赴任が明けて主人が福井に帰ってきました。
京都の大学に行っているお兄ちゃんも、それに合わせて帰省してきてくれた。
うれしいなぁ、久々に家族かが揃ったのだから、と言うとみんな声をそろえてあとを続ける。――カニ食べに行こう!
そういうわけで、今日の晩ご飯は、こういう時にはいつも行くあの店で、越前ガニと牛しゃぶとマグロのコース。
って、なぜカニを食べに行くのに牛しゃぶやマグロがついてくるのかはよく判らないけれど、そこはそれ、わたしのうれしさの現れととってもらいましょう。さいわい、わたしは――というか家族みんなそうなのですが、食べものの好き嫌いは全くない。カニに添えて出てくるのが肉でも魚でも野菜でも、大歓迎です。要するに、郷土の誇り越前ガニを、ほかのいろんな魅力的な食材で盛り立てよう、とそういうことなのですよ!
お店について、どんなメニューなのかわくわくしながら待ってると、軽いお通しのあとに運ばれて来たのがカニマヨサラダで、ここからもうカニの世界が始まっているわけです、と思ったら、ついで出てきたマグロの刺身とお寿司の盛り合わせが、主役はカニだけじゃないのよ、と主張しているみたいにおいしかった。
それから、お待ちかねの茹で越前ガニと、国産牛しゃぶのコンビ。
主人とお兄ちゃんの、顔じゅうほくほくさせながら鍋の湯気の中で肉やカニの身を頬張る姿は”男の子”の子どもっぽさをあますところなく体現していて笑ってしまいました。
とりわけ主人の、越前ガニへのなつかしがりようったらなかった。その横で私がしじゅうニコニコしっぱなしなのも、娘には妙にくすぐったいような光景に映っていたことでしょう。
メニューはそれからカニと長芋のチリマヨソースとか若鶏とチーズの黒胡椒焼きとかいった何やらフクザツな世界に突入していき、やがて、〆のセットにはうどんとご飯のどっちがいいかの家族会議が始まりもちろん満場一致でカニ牛雑炊。そんな名前の料理があるかどうかはわからないのだけど(笑い)…。
京都に下宿しているお兄ちゃんは、幻のカニと呼ばれる間人ガニを一度だけ食べる機会に恵まれたらしい。ゼミの教授が学生たちにごちそうしてくれたのだそうです。お兄ちゃんの話から、なんだか楽しそうな雰囲気だけは伝わってきた。あたしも早く大学行ってみたいな、と娘が楽しそうに話していて。
「で、どうだった? うちらの越前ガニと較べて」「いい勝負かな。向こうも負けちゃいない。つーかまあ、同じズワイガニには違いないわけだからな。けどあれだな、やっぱこっちで食うカニのほうが、なんつーか落ち着くかな」……どうやら、味の問題ではないみたい。
こうして、ひとしきり久しぶりのカニを楽しんだあと、デザートのゆずアイスの冷たさに口をすぼめながら、あと何回みんなでここへご飯食べに来られるんだろうとふと思った。いやいやもう少ししたら孫と一緒かな。あ~楽しみ!

そろそろ…

三月も半ば、春が近づいてまいりました。越前ガニのシーズンももうじき終わりですね。11月6日から始まって3月20日頃まででしょうか。冬の到来とともにカニの解禁が始まり、大量のカニ達が各家庭、店頭に並びました。寒い冬に暖かいカニ鍋を食べて、一年の終わりを語る。12月の年の暮れを迎え、年を越す。いい一年だったかなぁ?一人寂しく酒屋のカウンターでお酒を飲んでいる自分がいたような気がします。寒い心に暖かいカニ鍋がスーッとのどからおなかの方へと浸みていく。何とも寂しい一年だったよ。しかし、カニ鍋があったから、私は寂しい冬を越すことができたのかもしれません。カニ鍋が私を癒し、元気をキープさせてくれたような気がします。年を越し、一月、二月と寒さをこらえながら何回カニ鍋を食べただろうか。今年こそは幸せいっぱいのカニ鍋を食べたい。
そんな寂しい冬も終わり、今や早三月半ば、さすがに春の兆しを感じてきています。昼間の空気にも温かさを感じます。春が近づいてきていますね。しみじみとカニ鍋を食した夜も終わりました。春にカニ鍋は似合いません。これからの季節、カニの登場するシーンはあるのでしょうか。
春が来て、これから一年が始まる。どんな一年になるか。今年の暮れには一人寂しくカニ鍋を食べるのではなく、せめて二人で語り合いながら、温まりたいなと思います。カニ様!また、冬にお目にかかりましょう。春から夏、秋にかけてカニさんたちはどう過ごすのでしょうか。春にもカニさん探しをしてみます。

越前の打刃物

近年、世界では日本食ブームが起きています。それとともに日本独自の調理法や調理器具なども注目を集めています。もちろん日本の包丁も注目が集まっているもののひとつです。日本料理の魅力のひとつは美しい盛り付けにあります。お造りを花のように盛る。透けるように薄くかつら剥きされた大根を使ったツマを添える。これらを美しく仕上げるには切れ味のよい包丁が欠かせません。日本では包丁は料理人の命とも言われるほどです。そして料理人の多くが職人の手によって作られる打ち刃物を使っています。打ち刃物といえば福井の越前打ち刃物も有名です。越前の打ち刃物会社も頑張って世界に向けたセールスを展開しており、その努力の結果、フランスのミシュランを獲得している有名フランス料理店でもカトラリーに採用されています。世界でも越前打ち刃物も素晴らしいとの高評価を受け始めているのです。越前打ち刃物は約7000年前から受け継がれています。その抜群の切れ味の秘密は伝統の鍛造技術にあります。特徴としては鋼を熱して叩き伸ばす「火づくり鍛造」です。これは叩くことで金属の強度が増すのです。
越前には熟練の職人さんにそのコツを学んで、オリジナル作品を自分で作ることができるところがあります。そこで作れるもののひとつがペーパーナイフです。ペーパーナイフの製造工程はデザイン・鍛造・切断・刃付け・着色で所要時間90分ほどです。まずは銅をハンマーで叩きます。叩けば叩くほど銅版は丈夫になっていきます。これは表面を均一に叩くと仕上がりがきれいになります。集中して叩くのは日ごろのストレス解消になるかもしれません。次はナイフの型を取ります。銅版にマジックで好きなデザインを描きます。ここではあまり凝ったデザインにしないほうが成功率は高くなるようです。それをハサミで職人さんがデザインに沿って切断してくれます。切り口がギザギザでも次の工程で磨くので大丈夫です。ここで磨きの工程です。ペーパーナイフとなる銅版を専属の機具にはさみ、体重を掛けてやすりをスライドさせます。細かい部分はサンドペーパーで整えます。ここでイニシャルを入れたければアルファベットを刻印できます。
いよいよ最後の工程の着色です。黒っぽい色にしたければ専用の着色液に浸します。もしそのままの銅色を生かしたい部分には液を付けないようにして注意しなければなりません。これでとうとう完成です。頑張って作った分、喜びもひとしおです。お土産にするのも良いですね。あなたも越前海岸に行って世界にたった一つのお手製の越前打ち刃物を作ってみませんか?

まるで本物!?

究極のカニカマ
カニかまぼこというと、手で簡単に割けるようになっている表面が赤色で中が白いかまぼこだ。割ける感覚と色でカニっぽくしてあるが、あくまでカニっぽいだけのもの。一目で「カニカマだ」と誰もが見分けることができる。しかし、最近は一目でそれがカニカマだとは見抜けないほどかにそっくりに作られたカニカマがあるという。テレビ番組で紹介されてから有名になったこのカニカマ。番組内では本物のカニと並べて目利きのプロに見分けさせていたのだが、確かに素人が本物のカニと見分けることは難しいと思えるほど精巧に作られていた。テレビで観て以降「どれほどそっくりなのか一度食べてみたい」と思いつつも、地元のスーパーでは見かけたことがないためこれまで対面できずにいたのだが、先日、思いがけず出会うことができた。
ある日母が昼食にとスーパーで買ってきてくれた8貫ほどの握り寿司のセットの中に、かにの握り寿司が1貫だけあった。「かにが入っているなんてスーパーの寿司のわりに豪華だね」などと話しつつ食べた後、何気なくラベルを見ると、「かに」の文字が無い。いや、正確に言うと「かに」の文字はあったのだが、「かに風味かまぼこ」として表示されてあったのだ。驚いてその場にいた母や夫に伝えると、「え!?あれカニカマだったの!?」とその場は騒然としてしまった。誰もが「これは本物のかにだ」と疑わなかったほど、そのカニカマは本物そっくりだったのだ。その寿司は1セットしかなかったため、食べた夫に味はどうだったのか聞いてみると、「かにと思い込んで食べていたからなぁ…。何かいつものかにの味と違った気もするけど」とのこと。どうやら味も本物に近くなるよう作られているようだ。
「テレビでは観たけれど、ここまでそっくりとは…」と、生産者のこだわりに脱帽し、皆で「すごいすごい」と大興奮してしまった。ただ、実際に見ることができたものの私は食べることができなかったのが残念で、再会を求めて以前よりも更にスーパーのかまぼこ売り場を覗く頻度が上がってしまったのだった。

残念、食べられなかった

ここ数年、福井県出身の義理妹が福井へ帰るたびにセイコガニを買って帰ってきてくれていました。そして、いつも「おすそわけ~」と言ってセイコガニ2杯を私たちのところへ持ってきてくれていました。私は“セイコガニ”がそんなに食べられない(福井の家庭ではよく食べられているみたいですが)ものだなんて、ついこの間まで知りませんでした。
食べられないというよりは食べられる期間が短かったりして広く全国にあるものではないということのようですが。彼女いわく「福井の家庭ではよく食べている」と聞いていたので一般的に食べられるものなんだと、恥ずかしながら、ちょっと勘違いしていました。
今は海のない県に嫁いで十数年たちますが、やはり海の匂いがするものはたまらなくて(日本海だろうが太平洋だろうが東シナ海だろうが関係ないんだ)特にカニやサザエなどは海の匂いが濃くて、良くてクンクンしてしまいます。
カニをむく担当は、うちではもちろん(笑い)パパの担当です。他のみんなは、皿にカニの中身がおかれるまでジッと待っているわけです。カニを食べている間は宴会の間だって、黙々と食べていて静かでおかしい(笑)といいますが、うちはパパ一人がむいているだけなのにみんなお行儀よく待っています。その静かなことといったら、ちょっと笑えます。いざ食べだしたら、なんと言っても身だけになっているカニを食べているわけですから、あっという間に食べてしまいます。またまたむいては皿にいれ、まるでツバメだなと思うほどです。セイコガニも義理妹に身のはずし方をきいて上手に分けてくれました。ホントにいい人だなこの人…。今年は残念ながら食べられませんでした。セイコガニ、来年はまたむいてもらって食べたいなあ。と思うのでした。

海は楽しいけれど…

暑い夏になれば多くの人々が海へ出掛け、楽しい時間を過ごすことだろう。寒い冬でも、多くの人々が海で釣りを楽しむだろう。砂浜や波間、魚たちといった美しい光景、そしておいしい魚介類と、海は人々にとって楽しく魅力的な場所である。
しかしその一方で、海には危険な一面もあることも人々は知っている。泳いでいれば潮に流されるかもしれないし、毒のある生物に触れてしまうかもしれない。釣りをしていれば、天候の悪い時なら波にさらわれる危険がある。今回はそんな危険のひとつ、毒のある生物に触れてしまった知人の話を紹介したいと思う。私の夫は釣りが趣味で、よく我が家へ集まっては同僚たちと釣りに出掛けていく。趣味と言ってもまだ数年の経験しか無いので、いか釣りに行くキス釣りに行くと言って出掛けては何も獲れないか餌となるアジだけといった成果で帰ってくるのが殆んど。それでも「だめだったー」と言いながらもにこにこと楽しそうに皆帰ってきていた。
しかし、ある冬の始めの日、福井の海から帰ってきた夫達の笑いが、いつもの「楽しかった」という笑いではないときがあった。どうしたのかと訊ねると、同僚の一人が変な魚に触って指が大変なことになったのだと皆で笑いながら話しだした。
その“変な魚”は、触れて指が大変なことになった同僚Aが釣り上げたのだが、釣り上げてすぐ「何だこれ!?」とつい言ってしまうような怪しい風貌だったそうだ。声を聞いてなんだなんだとAの元へ皆駆け寄りその魚を見てみると、小ぶりで黒っぽい、なまずのような変わった魚。皆「これは触ったらヤバイやつだ」と感じたため、触らないようにして海に帰そうとしたのだが、口から針を取るためには触ってしまう危険を冒さなければならない。針を取ろうと四苦八苦するうちにうっかりヒレに触れてしまったというわけだ。それからしばらくしてAは「指が痛い」と言い出した。痛みに弱い方ではないAだったが、それでも釣りを続けることなど到底無理というような痛みだったため、Aはその後ずっと車中で待機することになってしまった。夫が様子を見に行って見たのは、「暖めるとマシになる」といって車の暖房に手を当ててすっかりしょげているAの姿。そんなAを置いて釣りを続けられないと、釣りはそこでお開きとなった。
帰りの車中でもテンションが上がらず暖房に手を当て続けているA。普段明るくお調子者のAがすっかりしょげかえっているので皆思わず笑ってしまったというわけだったのだ。
Aが触ってしまった魚は一体なんだったのか?帰宅した夫が調べてみると、どうやら“ゴンズイ”という魚らしい。夫たちが「ヤバイ」と感じたとおりヒレに毒を持ち、触ると激痛に襲われるという魚だった。酷い場合は呼吸困難にも陥ってしまうというので、痛みだけで済んだAは幸運だったといえるだろう。医者に行くのが一番だが、なんと薬用入浴剤をお湯に溶かしてにつけると解毒できて痛みが引くという変わった応急処置方が効果的だそうだ。そして、食べるとおいしいらしい。美しいバラに棘があるように、おいしいゴンズイには毒があるということなのだろうか…。
海にはゴンズイの他にもクラゲやガンガゼのように毒を持った危険生物が多く生息している。海を安全に楽しむためには、こうした生物に対する知識と対処法を身につけておく必要があるだろう。